うちには1月で12歳になる"じっつぁま犬"がいる。室内犬のシーズーなので、大型犬よりは長生きするはずだが、ここ半年でめっきり老け込んでしまった。まぁ年を取れば誰しも老いるように、足腰が弱くなり、動きが鈍くなってきたということなんだが。

心臓病で毎食薬を飲んでいる上、元々目の病気+白内障も発症状態で、殆ど見えないせいもあり、散歩の時の歩く速度は半減、一緒に歩くもう一匹のシーズー・奥様犬が「んもー早くしてよ。」と仏頂面で振り返るくらい。

それでも食欲は超旺盛!お友達犬大好き!な生きる気力漲っちゃってる、愛嬌溢れるじっつぁま犬なのである。

彼は"食う"ことに関して、なにしろマメである。そのたゆまぬ努力には敬服する。

 ・起きてる時はとりあえず「なんかくれ」とねだる、ごねる、脅す、
  鳴き落とす。
 ・一本でもひとかけらでも何でもいいからおやつを貰おうと、
  隙有らば台所に並ぶ。
 ・自分のご飯を食べ終わった後は、必ず奥さんの食器をチェック、
  ひとかけらでも残っていれば全部食う。
 ・何か貰ったらその場で食べて更に「おかわりくれ」ととにかく言う。
 ・が~が~大イビキで寝ててもビニール袋がパリパリ言えば、
  目を覚ます。

一日2回、適正量のご飯を食べての上である。
片や奥様犬はそんなことはない。「もうないよ」と言えば「あ、そう。」、「寝なさい」と言えば「は~い。」だし、ご飯などは自分の食べたい分だけ食べて、もう要らなければ残す。

同じに育てているのに、なんだってこんなに違うのか。じっつぁまだけどうして食い魔になってしまったのか?

実は彼は可哀想な幼年時代だった。彼はうちに来る前、某デパートの屋上のペット売り場で「明日で処分」の売れ残り君だったのだ。

後々、私が怒り心頭で乗込み、そこの店員の胸倉を掴んで問い詰めて白状させたところ、生後まもなく母犬から離されて連れて来られ、大きくならないようにご飯はドライフード1日10粒のみ、しかし管理不行届きのケージでダニがつき、痒さのストレスで食べても戻してしまうので、ガリガリに痩せこけ、生後4ヶ月近かったのに体の大きさは「2ヶ月半くらいですね」だった。

その状態でうちに来た直後から食べては戻しを繰り返し、翌日獣医に連れて行ったら「栄養失調&ダニつき」の診断で即入院となってしまったのであった。

そんな不幸な幼年時代のせいで"とにかく食い気"、"何しろ食い気"、"寝ないで食い気"、な犬になってしまったのだった。

まぁ食欲があるうちはちょっとボケても元気な証拠、寝たきりになったりしないだけ有り難いのだが、老化するに連れ、入れたら今度は出す「お通じ」が朝まで持たないことになった。

今まで朝9時ごろと夕方5時ごろのお散歩だったのだが、ちょっと前から朝4時に「わん!」と叫ぶ、「う○こしたい要求」が始まった。

それに対応&解決すべく、散歩時間を朝9時ごろと夜10時ごろに切り替え、大体のところはOKになったのだが、夕べのように夕方から雨だから急げ、で早めにお散歩してしまうと、やっぱり朝4時にむっくり起きて「わん!」なのだった。

彼こそモノホンの4samaである(^_^;)

そんなこともあろうかと、私は家での仕事時間を夜中~朝方に変えた。その方が猫も犬も「構ってくれ」とやってこないし、静かで捗るということもあり。"4時う○こ"にも即対応だ。

大雨突風の中、カッパを着てお散歩の大騒動。それでも漏らさずちゃんと「伝えて」がんばって短い足で必死に歩く彼を見ていると眠気も文句を言う気も寒さも失せ、彼の意思を尊重してあげたくなる。帰ってからだってドライヤーで乾かしてあげちゃう。

動物は、とんでもなく手が掛かると思えば掛かる。でも日々可愛らしい姿を見せてくれ、どんなにか慰められ、癒され、笑わせて貰って来たことを思うと、苦労も面倒も全然苦にならない。

考えたら奥様犬も猫も、そして親も、もう年寄りの域なのである。これから色々"対応"を迫られる事態がやってくるのだろう。でもそこに感謝の念を持って、できるだけ気持ちよく"対応"してあげたいと思う。

今まで好き勝手やってきた分、自分の都合は後回しでいい。介護と言わず、恩返しでありたい。